ミモザウェイズ作品内容
現代を生きる3人の女性たちが、時代を越えて出会う。
あらすじ
現代を生きる3人の女性たちが、時代を越えて女性たちの歩みをたどります。
1990年代、1970年代、1920年代、1910年代へ——。
それぞれの時代を生きる女性たちとの出会いと対話を通して、過去を知り、自分たちが今いる場所を見つめ、これからの社会を考えていきます。
6つのシーンからたどる MIMOZA WAYS
現代から過去へ。時代をさかのぼりながら、女性たちの歩みをたどります。

左から、ユミ、ケイコ、マリ。シャルル・ド・ゴール空港で、日本への帰国便を待つ3人。
ユミ|会社経営者 ケイコ|翻訳者 マリ|学生
01|現代 ― シャルル・ド・ゴール空港
2020年、コロナウイルスが世界を覆い、フランスではロックダウンが発令された。
パリのシャルル・ド・ゴール空港では、混乱する帰国便を多くの人々が待っている。そんななか、日本への帰国を余儀なくされたケイコ、ユミ、マリの3人が偶然出会う。
いつ帰れるのかもわからない不安な時間のなかで、3人は少しずつ、それぞれの人生について語り始める。家族、恋愛、結婚、仕事、そして妊娠や中絶——。何気ない会話から、現代を生きる女性たちが直面する選択と、日本社会に残るさまざまな課題が浮かび上がっていく。
そして話題は、性と生殖に関する健康と権利、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)へ。
―『MIMOZA WAYS』戯曲より
「日本ではですね、避妊について、特に女性のための選択肢が知らされていないんですよ!
コンドームしかないみたい!
ピルは、身体に悪いかもと言われて、値段も高い。」

時空を越えて旅をする、不思議な存在・リョウコ。
これまでを生きてきた女性たちの記憶を宿し、現代を生きる女性たちを静かに見守っています。
リョウコは、ユミ、ケイコ、マリの高祖母たちを直接知る存在。3人を、それぞれの祖先が生きた時代へと誘います。
「時空を超えて、先を生きた人に会いにいきたいですか——。」
リョウコに導かれ、3人の時代をさかのぼる旅が始まります。
リョウコ ― 時代をつなぐ案内人

左から、ヤエ、キクエ、マイ。
ヤエ|自身の朝鮮のルーツについて学ぶ研究者
キクエ|外資系企業で働く会社員
マイ|ジャーナリズムを学ぶ学生
02|1990年 ― ハワイ
時代は1990年。舞台はハワイのリゾートホテル。
プールサイドで偶然出会った3人。話しているうちに、母親たちがかつて友人だったことがわかり——。
1985年、日本は女性差別撤廃条約(CEDAW)を批准。その批准に向けて、国籍法の改正や男女雇用機会均等法の制定など、女性を取り巻く法律や制度が大きく動き始めました。教育の分野でも改革が進み、家庭科の男女共修へとつながっていきます。
法律が変われば、女性たちの暮らしも変わるのか。
働くこと。お金を持つこと。そして、自分の人生を自分で決めること。
新しい選択肢を手にし始めた1990年代。女性たちは、どんな未来を選ぼうとしていたのでしょうか。

左から、リョウコ、キミコ、マリコ、ユカ。ウーマン・リブの合宿で出会った3人。 キミコ|看護師マリコ|大学生、父とフランスで暮らすユカ|ジャーナリスト
03|1970年代 ― ウーマン・リブ
1970年代。世界各地で、若者たちがそれまでの社会や価値観に異議を唱え、新しい生き方を模索していました。
日本でも学生運動や反戦運動が広がるなかで、女性たちは「女だから」という理由で押しつけられてきた役割や生き方そのものを問い始め、日本のウーマン・リブ運動が大きく動き出しました。
舞台は、ウーマン・リブの合宿。そこで出会ったのは、看護師のキミコ、大学生のマリコ、ジャーナリストのユカ。
結婚すること。子どもを産むこと。働くこと。自分の名前で生きること。
「女だからこう生きる」という当たり前を問い直し、自分の人生を自分の言葉で語ろうとした女性たちの時代です。

左から、マチコ、ユミコの娘・ヤスコ、キヨ。
マチコ|与謝野晶子のヨーロッパ旅行の足跡をたどる
ヤスコ|政治一家に育ち、朝鮮出身の男性に恋をする
キヨ|叔母の仕立て屋で働きながら、読み書きを学ぶ
04|1920年代 ― 手紙がつなぐ、それぞれの人生
時代は1920年代へ。
舞台に映し出される、俳優たちの影とその時代の映像。そして、1910年代に出会った女性たちと、次の世代へと交わされていく手紙。
マチコとキヨの手紙のやりとりから、離れて暮らす女性たちがその後どのような人生を歩んだのか、そして、その人生が時代の大きな出来事とどのように交差していったのかが、少しずつ明らかになっていきます。
その手紙の中で出会うのが、ユミコの娘・ヤスコ。
女性から女性へ、そして次の世代へ。手紙が、それぞれの人生と時代をつないでいきます。

左から、ユミコ、キヨ、マチコ。
ユミコ|政治一家に育つ。のちのヤスコの母
キヨ|田舎から出て、叔母の呉服屋で働く
マチコ|『青鞜』に憧れ、外国へ行くことを夢見る
05|1910年代 ― 女性たちが声をあげ始める
舞台は1910年代。キヨの叔母が切り盛りする、着物の仕立て屋。
田舎から出てきて働くキヨは、読み書きを学び始めます。『青鞜』に憧れ、いつか外国へ行くことを夢見るマチコ。そこへ、政治一家に育ったユミコが現れます。
女性の生き方が、家族や結婚によって大きく左右されていた時代。それでも、学ぶこと、読むこと、働くこと、そして自分の言葉で語ることを求める女性たちがいました。
1911年には、平塚らいてうらによって女性たちの文芸誌『青鞜』が創刊。1913年には黒田チカ、牧田らく、丹下ウメの3人が東北帝国大学に入学し、女性として帝国大学に初めて大学生が誕生します。
キヨとマチコは、与謝野晶子の「山の動く日来る」で始まる詩『そぞろごと』を声に出して読みます。 100年前、女性たちは何を夢み、どんな未来を切り拓こうとしていたのでしょうか。
そしてこのシーンは、平塚らいてうの「元始、女性は太陽であった」の朗読で幕を閉じます。
100年前の女性たちの言葉から、あなたは何を受け取りますか。

06|現代の私たちは ― MIMOZA SONG
時代をさかのぼり、さまざまな女性たちの人生と言葉に出会った彼女たちは、再び現代へ。
それぞれが旅の中で受け取ったものを胸に、自分の母を、祖母を、そして自分自身の人生を思います。
過去を生きた女性たちの選択や言葉を知ったとき、今を生きる私たちには、自分の人生がどのように見えるのでしょうか。
物語の最後に歌われるのは、オリジナル曲「MIMOZA SONG」。
過去を知り、今いる場所を見つめる。
そして、自分はこれから、どんな道を歩いていくのか。
MIMOZA WAYS——それぞれの、これからの道へ。
